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2016.10.27
10月19日(水)に名古屋商工会議所で開催されました、特許庁等が主催する「知的財産権制度説明会(実務者向け)2016」に参加してきました。
5つの講義科目のうち、2つ目の講義で「先使用権」についての説明がありました。
知財に関する戦略の一つとして、「オープン戦略」や「クローズ戦略」といった言葉を新聞やインターネット上のニュースで目にすることが多いですよね。
「先使用権」は「クローズ戦略」と関連するものです。
「クローズ戦略」・・・
ざっくり言うと、自社技術のコアの部分をクローズ化して使っていこうというものです。
クローズ化する技術であっても、特許出願せずに秘匿化する場合もあれば、特許出願し特許権を取得する場合もあります。
特許権を取得する場合、そのデメリットとしては、例えば、
・特許権取得のための費用が掛かってしまうこと
・特許権が有限であること、
・発明の内容が明らかになってしまうこと
等が挙げられます。
これら特許権を取得する際のデメリットを回避するとなると、特許出願せずに技術を秘匿化して自社だけでこっそりと使っていこうとするタイプの「クローズ戦略」という考えが出てきます。
ただ、その技術を使っているのが自社(A社)だけであればよいのですが、偶然にも同じ技術を他社(B社)も思いついて、そのB社が特許権を取得したような場合に問題となります。
特許権は独占排他権であるため、こっそりと使っていたA社が権利行使を受けるおそれがあるからです。
そこで登場するのが「先使用権」です。
「先使用権」は、A社内だけでこっそりと使っていた技術に関し、B社が特許出願し、特許権を取得した場合に、A社がB社の特許権に対抗できる権利です。
すなわち、B社の特許出願前からこっそりと使っていたA社は、その技術を継続して実施することができるのです。
この「先使用権」は、特許庁が付与するという性質のものではなく、侵害訴訟等において裁判所が認めることによって、その特許権に対抗できるものです。裁判所で認められるためには「先使用権」の要件を満たす必要があります。
イノベーション手法の多様化等によって技術を秘匿化する「クローズ戦略」が増えてくると「先使用権」が問題になるケースが増えてくるかもしれませんね。
ちなみに、今回このタイミングでの「先使用権」の講義は、「初版事例集(先使用権制度の円滑な活用に向けて〜戦略的なノウハウ管理のために〜)」の発行から10年経過し、①知的財産戦略の高度化、②新たな裁判例の蓄積、③資料の電子化等に対応するため、新たに「第2版事例集」が公表されたことによるものです。先使用権に関する大きな判例が出たとか、先使用権に関する法改正があったとかではありません。
2016.10.26
本日「メッセナゴヤ2016」が開幕しました。今年は過去最大の1,400社超が出展されています。
私も早速行って、「メッセ初モノ製品・サービス 大発表会」を観てきました(お土産に、定価1,800円相当の雑誌「日経ものづくり」をいただきました)。
また、初日終了後の「交流会」にも参加してきました。ここではビ ュッフェ形式で、様々な方と名刺交換させていただきました。ありがとうございました。
「メッセナゴヤ2016」には、私が所属しております日本弁理士会東海支部も出展しております。ブースでは知財に関するミニセミナー、無料相談等を行っております。第3展示館の3B−126です。
皆様のお越しをお待ちしております。
2016.10.18
日清食品グループさんのオンラインストアで紙袋が発売されています。商品名は「お湯入れとる紙袋」です。
この紙袋には、お湯の入ったやかんからカップヌードルに向かってお湯が注ぎ込まれているという写真が掲載されています。
やかんの取っ手の部分と紙袋の取っ手が重なり、紙袋を持つと、あたかもやかんを持ってカップヌードルにお湯を注いでいるように見えます。
公式Facebookに紙袋の画像を投稿したところ大反響となったため、商品化に至ったそうです。
日清食品さんといえば、即席めんの「オープン戦略」ですよね。
1958年に日清食品の創業者である故・安藤百福さんが即席めんを発明し、それまでなかった即席めんが世に出ました。
それまでになかった即席めんが発売されると、この即席めんを真似る会社が出てきました。
中には粗悪品も存在しました。
日清食品さんは、一部の粗悪品によって全ての即席めんが粗悪品のイメージとなることを避けるため、所有していた特許技術を「オープン」、すなわち、他社にライセンスしました。そして、その際、技術指導等を行って、適正な即席めんを作ってもらうようにしたわけです。
他社に特許技術を使ってもらうことによって結果的に粗悪品を排除することができ、保存がきき、すぐ食べられ、そして何より美味しいということで爆発的に売れ、一大市場を形成しました。
この「オープン戦略」という決断がなければ即席めん市場が今のような規模ではなかったかもしれませんね。
ところで、日清食品さんは、この紙袋で儲けようとは思っていないようですね。ブランドの認知度を高めたいとのことです。
私自身、チラシやPOP等で「お一人様一個限り」、「残りわずか」、「少量入荷」、「本日限り」、「閉店セール」等のネガティブな言葉が躍るとついつい欲しくなってしまいます。
「儲けようとは思っていない」・・・。なんか、モーレツに欲しくなってきました(笑)!
これも戦略なのでしょうか?
2016.08.18
お盆休み明け直後にもかかわらず、沢山の中小企業経営者様にご参加いただき、活発な議論がなされました。
本日のテーマは、「知的財産の必要性〜中小企業のための知財〜」でした。テーマに沿ったディスカッションあり、脱線ありの楽しく有意義な2時間でした。
ご参加いただきました経営者様、誠にありがとうございました!
次回、第3回は、9月21日(水曜日)17時00分〜19時00分で、テーマは「社員の発明は誰のもの?」です。もちろん、脱線ありでございます。
お申込み、お問い合わせは、日本弁理士会東海支部、又は、愛知県までお願いします。
次回のご参加を心よりお待ち申し上げております。